WES(World Education Services)でGPAが上がる!?日本のGPAをアメリカの基準で再計算【低GPAからの海外大学院出願】

アメリカの大学院を受験・出願するにあたり、日本の大学の成績、GPAをアメリカ式の成績評価基準で再計算してみましょう。

みなさん、ごきげんよう。Kazuritsarです。

今回は、日本の大学を卒業した人がアメリカの大学院や特定の専門講座・コースに出願するために、日本の大学の成績、GPAをアメリカ式に再計算・再評価するための手順をご説明したいと思います。

日本で卒業した大学の成績、GPAが低いという理由で、アメリカの大学院留学を諦めるのはまだ早いかもしれません。日本とアメリカの大学では、成績の評価基準がそもそも違うため、アメリカの大学院に出願するにあたり、アメリカ以外の大学の成績はアメリカ基準に再計算・再評価する必要があります。その結果、日本の成績、GPAが現在のものより少し高くなる可能性があります。ぜひこの記事を読んで試してみてください。

まず、日本の成績をアメリカ式に再計算・再評価するにはWorld Education Services(以下、WESとする)という評価機関のサービスを使用する必要があります。

このWorld Education Servicesが提供しているサービスの中で私が使用したものは2種類あります。

1つ目は、WES iGPA Calculatorというもので、WESのオンライン上で、自分で日本の大学の成績を科目ごとに一つずつ入力し、アメリカ式の成績を算出できるサービスです。なんと、無料です。

2つ目は、日本の大学で発行された英文成績表をこのWES宛に海外郵送し、再計算・再評価されたアメリカ式の成績表を発行して日本に郵送してもらえるサースです。金額としては為替の影響がありますが、4万〜5万円ほどかかります。

注意点としては、WES iGPA Calculatorはあくまで、自分でアメリカ式の成績を算出して確認するだけのものということです。Officialではないため、実際に公のものとして(出願時の資料として)は使用できません。大学や大学院への出願時に提出するものとして使用するには、上で記載した2つ目のサービスを利用し、WES宛に成績表を郵送し、日本の成績をアメリカ式に評価してもらうといった手続きが必要です。

WES iGPA Calculator

WES iGPA Calculatorは、「アメリカの大学院、もしくは、アメリカの大学が提供している特定の講座に出願するか迷っている段階であり、正式に出願することは決まっていないが、アメリカ式の成績(GPAが4.0 Scale)だと自分の成績はどれくらいになるかちょっと調べてみよう」、または、「WES宛に成績を郵送して正式なアメリカ式の成績が出る前に、ある程度、どれくらいになるのか前もっと調べてみよう」といった、ちょっとした確認程度に使用するものです。

ちなみに私の場合はWESで正式に申し込んで、成績表を郵送して評価してもらったアメリカ式の成績と、自分でWES iGPA Calculatorで入力して確認したアメリカ式の成績はほとんど同じものになっていた(端数の関係で0.01の差がありました)ため、WES iGPA Calculatorの方もかなり、信憑性は高いものでした。

では実際にやり方を説明していきます。
まずはWES iGPA Calculatorのサイトにアクセスしてください。

  • 「Start now」をクリック
  • 「姓」、「名」、「国」、「メールアドレス」を入力して「Continue」をクリック
  • 「学位名」、「大学名」、「大学がある国名」、「卒業大学の成績評価方法の選択(A~Fもしくは0〜100%)」、「大学在籍年数」を入力して「Continue」をクリック
  • 卒業した大学の成績表に記載されている全ての科目に対して、「科目名」、「単位数」、「アメリカの評価基準での成績」の3点を記入して「Calculate GPA」をクリック

私が卒業した日本の大学の成績では「S」、「A」、「B」、「C」の4つの評価基準でしたが、「アメリカの評価基準での成績」として「A」、「A」、「B」、「C」として入力しました。つまり、「S」も「A」として扱っています。実際に郵送して再計算・再評価されて届いた公式の成績も「A」、「A」、「B」、「C」となっていました。

そうすると、下記のような、アメリカの成績評価基準で評価されたGPAが表示されます。大体、日本のGPAに対して+1.0くらい増えるのが一般的だと思います。ちなみに、ここで表示されている内容が入力したメールアドレス宛にも送られてきます。

みんさんのGPAも上がっていましたでしょうか?

どのように、アメリカの評価基準での成績(A-F)に変換して入力するかは下記のサイトが参考になりました。WESに郵送で成績表を送った人は、再計算・再評価された成績表に評価の基準が記載されているので確認してみましょう。

WES宛に日本の成績表を郵送

先程のWES iGPA Calculatorは非公式のもの(自分で確認するためだけの使用目的)でしたが、こちらの郵送するやり方は公式(大学や大学院への出願時の資料としての使用目的)です

入力する箇所が結構あって大変ですが、私が実際に行った手順を1つ1つ画像を添付しながらお見せしていきますので、頑張ってみてください(笑)

まずはWESのページから会員登録をします。

登録が終わったら「Your Information」というタブのページが表示され、さらにその中の「Personal information」の段階から始まります。

  • ここで「WESを知った方法」、「姓」、「名」、「生年月日」、「性別」、「電話番号」(電話番号の初めの0は抜きました)を入力します。問題がなければ「Next」ボタンをクリックします。

そうすると、プログレスバーが先程の「Personal information」から「Report Purpose」に変わります。

  • まず、WESで成績を再計算・再評価してもらう目的を選びます。大学・大学院への提出であれば「Education」になります。その下の「What is the level of education you are pursuing?」では成績表を提出する教育機関がどのレベルかを選択します。私の場合は「Graduate Admissions(大学院入学)」を選択しました。問題がなければ「Next」ボタンを押します。

そうすると、プログレスバーが先程の「Report Purpose」から「Your education」に変わります。

  • これまでの学歴を入力します。私の場合は「大学」の情報を入力しました。「Add credential」というボタンを押した後に、ポップアップの入力フォームが表示されるので、「大学が位置している国」、「教育のタイプ」、「大学名」、「学位名」、「名」、「姓」、「専攻」、「卒業年度」、「在籍期間」をそれぞれ入力します。「学位名(Bachelor of ~)」や「専攻」は卒業証明書などに記載されていると思います。問題がなければ「save」ボタンをクリックし、ポップアップが閉じたら「Next」ボタンを押します。

そうすると、プログレスバーが先程の「Your education」から「Report Recipients」に変わります。

  • 「Add Your Address」をクリックし、WESから自分の自宅宛に評価された成績を送付してもらうための住所を入力します。配送方法は「International Courier」を選択してください。トラッキングができます。問題がなければ「Next」ボタンを押します。

ちなみに、郵送で紙の成績表が届きますが、WESのサイトからPDFの成績表もコピーできます。

「Would you like to order additonal copies for yourself?」は追加でコピーが欲しければ申し込んでください。私は追加で1つ申し込みましたが、特に使うことはなかったので必要ないと思います。

「Institution(s) receiving your report」はすでに出願する大学が決まっていて、WESを通じた提出を求められていれば記入すれば良いと思います(一般的には、WESを通じてではなくて、受験者が個人でPDFをシステム上にアップロードするやり方が一般的です)。私は特に何も記入していないです。

「タブが「Your information」から「Your Evaluation 」に変わります。この時、プログレスバーは「Evaluation type」になっています。

  • ここでは、WESのプランと料金を選択します。私は推奨されている「WES ICAP」を選択しました。そして、「Next」ボタンを押します。

そうすると、プログレスバーは「Required Document」になります。

ここに記載されていることとしては、日本の大学の成績表をWESに送る際の方法です(画像に載っていませんが、3つほどあったと思います)。私の場合は、日本の大学に厳封してもらった状態で英文の成績表をWESの「By courier」に記載された住所宛に送付してもらいました。

この時に、日本の大学側にトラッキング番号をメールで送ってもらうなどして追跡できるようにしておきましょう。海外郵送しているの何が起きるか分かりませんので、常に監視しておきましょう。

  • 確認ができたら、「Next」ボタンを押します。

タブが「Your Evaluation」から「Review」に変わります。この時、プログレスバーは「Review」になっています。

  • ここでは記載されている内容に間違いがないか確認し、チェックボックスに印をつけます。そして「Next」ボタンを押します。

そうすると、プログレスバーは「Payment」になります。

  • 「credit card」を選択してカード情報を入力後、「submit」をクリックして完了後に、Reference Numberが発行されます。

サイトの管理画面のトップページでステータス(We are waiting for your document)が確認できます。

日本の大学から郵送された英文成績書がWESに届くと、WESからメールが届き、管理画面上のステータスも「We are processing your evaluation」となります。

WES側の再計算・再評価が完了すると、完了メールがWESから届き、管理画面上のステータスも「you have no pending steps」と表示されます。また、しばらくすると管理画面上に表示されている「View Electronic report」ボタンををクリックすると、アメリカ式に再計算・再評価された成績をPDFでダウンロードできます。

また、評価された成績表のハードコピーも郵送されてきます。その際のトラッキング番号はDHLからのメールで通知されました。

DHLからトラッキング番号がメールで通知される

1週間ほどで日本の大学からWESに書類が届き、WESの処理自体は同様に1週間ほどかかりました。そしてWESから私の自宅までの郵送にも1週間かかりました。私の場合は何も問題がなくスムーズにできた上で、合計3週間ほど要しています。

WESを利用する場合は時間に余裕を持って取り組むことをお勧めします。また、日本の大学の事務は年末年始や夏休み等で休暇をとっている間は対応してもらいない時があるので、その点も十分に注意しましょう。

そして、WESの作業が無事に終わって次にすることになるのは、大学(院)への提出です。そもそも、成績表の提出方法は各大学によって違いますが、私の経験上では基本的には2通りありました。

1つ目は、WES上でダウンロードしたPDFを大学院のオンライン上のアプリケーション(出願フォーム)にアップロードする。

2つ目は、大学で発行された学部の英文成績表をPDFでそのまま大学院のオンライン上のアプリケーション(出願フォーム)にアップロードし、大学院側が独自に再計算・再評価する。

基本的には2つ目のケースが一般的だと思います。しかし、私は日本のGPAが低かったので、悪い印象が残らないようにと思い、日本の英文成績のPDFに加えて、WESの成績表も参考資料としてアップロードしました笑。WESの成績表はアップロードしないでくれと言っていた大学院もあったので、大学院によりますし、場合によってはマイナスに捉えられることもあるかもしれませんので、自己責任で判断してください。

この一連の申し込み手続き自体は指示にしたがって淡々と行うだけなので困ることはなく、特に何かを参考にしたわけではないですが、このブログを書いている際に検索してみたら、結構いろいろな情報があり、こちらの記事が詳しく綺麗に説明されていました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。WES iGPA Calculatorで自分で計算したGPAは2.97となり、WES宛に日本の成績表を郵送して再計算・再評価したGPAは2.96でした。ほぼ同じ値です。すでに述べましたように、日本のGPAに対して+1.0くらい増えるのが一般的であるため、日本の大学でのGPAが低いからといって諦めずに、WESでアメリカ式のGPAに変換してみてください。

アメリカの大学院へ出願するのに必要な「3.0」に達しているのではないでしょうか。私はそれでも少し足りていなかったですが、このくらい(2.96)であれば、なんとかギリギリ大丈夫とのことでした。

アメリカ大学院留学を目指した時に取り組む第一歩がまさにこのWESの作業だと思います。

頑張ってアメリカ留学を実現させましょう!!

Kazuritsar
アメリカ大学院留学に向けての準備であまり投稿できていませんでしたが、留学関連の内容もぼちぼち記事にしていきます〜

ABOUTこの記事をかいた人

大学時代にプログラミングに出会い、感動し、現在はIT系の会社で働いています。2017年12月から2019年7月までインドのNoidaで駐在。このブログでは旅行、IT、日々の出来事を発信していきます。